抱きしめます

「翔ちゃん、可愛い!!」

「やめろ!くるな!う、うわぁぁぁ!!」

と、今日もSクラスに翔ちゃんの声は木霊する。那月君の声と供に。

「翔ちゃん可愛いです!!!」


「……仲いいなぁ」

「なわけあるか!!!早く、助けろ!…ぐぼふぁ…っ」

「ふふ、名前ちゃんも、ぎゅーってしましょ!」

「わーい。」

どーん、という漫画的効果音がなりそうなくらい勢いよく抱きついた

私、名前でございます

「ぇ、ちょ、おま、来るなぁぁぁぁ!!」


ーーーーーーーーーーーーーー


「お前ら本当に、容赦なくて嫌だ」

「えー」

苦い顔をして呟く翔ちゃんに私はブーイングを起こす

時はお昼。人のいない校舎裏で二人でお昼である
ちなみに那月は早乙女ロンパン買いに行ってる。多分、今頃戦争中じゃないだろうか


「別にいいじゃないか〜。ぎゅー!ぐらい」

「や、だから、いきなりしてくんなっつっーの」

キリ、と睨まれるが、

「可愛いーっ」

としか思わなかった


「馬鹿やろう」

「暴言反対!」

「アホ」

ちゅ、と頬にキスをされる

「ふふ、…くすぐったいよ、翔ちゃん…」

私は肩をすくめる

「俺は、普通に名前だけに抱きしめて欲しいの」

「……翔君…」

私はお弁当を芝生の上に置いて、お箸をお弁当の上に置いた


「好き!」

「バッッ!それ言うの禁止!」

私が思い切り抱きつくと照れたように騒いで、抱きしめ返してくれた




「俺も、す…「あー!!!名前ちゃん、翔ちゃん、ズルいですよ!!翔ちゃん、名前ちゃんを独り占め反対ですよ!」

どーん、と、抱きしめてきた那月君。
苦しかった


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テーマ「人外ファンタジー」
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